緒方監督は3連覇の成功と2年間の失敗を経験している

緒方監督と言えば、広島東洋カープを3連覇に導いたという実績を持った名将です。この3連覇の記録は球団初の快挙であったため、カープファンからの人気は高かったでしょう。しかし、緒方監督は最初から素晴らしい成績を収めていたわけではありません。緒方監督が就任した1年目はBクラスの4位に留まっています。1年目は監督としての采配に疑問を持っている人も多く、それほど高い信頼を得ていたわけではありませんでした。その1年目の失敗を糧に挑んだ2016年シーズンでは、1年目とは別人であるかのような能力を発揮し、広島東洋カープを25年ぶりのリーグ優勝に導きました。この2016年シーズンには、1年目の自分の采配を振り返って「去年の俺はバカだと言ってやる」という言葉を残しています。

2016年から2018年までのシーズンをリーグ優勝という好成績で終えた緒方監督ですが、2019年シーズンは再び失敗を経験します。2019年シーズンの5月まではチームは良い状態でした。2019年の5月には月間20勝という球団の新記録も更新しています。しかし、この年の広島東洋カープは交流戦で調子を落とし、首位を陥落してしまいます。最終的にはクライマックスシリーズ進出も逃し、Bクラスの4位で終わりました。この結果を受けて、緒方監督は辞任しています。

緒方監督は5年間で3年間の成功と2年間の失敗というものを経験しています。その5年間に関して野球ファンは賛否両論の意見を持っています。広島東洋カープを3連覇に導いた手腕を評価して緒方監督を名将と呼ぶ野球ファンがいる一方で、1年目のシーズンや5年目のシーズンでの采配に関する疑問から名将ではないという評価を下している人もいます。どちらが正しいかは分かりませんが、緒方監督がチームを3度のリーグ優勝に導いたことは事実です。球団初となった3連覇の記録は色褪せることなく、語り継がれるものだと考えられます。