人気があるのはセ・リーグ?それともパ・リーグ?
プロ野球にはセ・リーグとパ・リーグの2つのリーグがあり、6球団ずつがそれぞれのリーグに属しています。かつては、リーグ対抗で行われるオールスター戦で、パ・リーグの方が勝率が高かったため、それぞれのリーグを揶揄して、「人気のセ、実力のパ」と呼ばれたものでした。
これは、セ・リーグの球団の中で、東京の球団の親会社が新聞会社で、テレビ局への影響力が強いことから、試合が逐一放送され、全国的にファン層を広げたことと、人気選手が多く入団したことが1つの要因となっています。更に、大阪にほど近い兵庫県に本拠地を置く球団が、宿敵のライバルとして、試合を盛り上げたことも関係しているでしょう。両者の対戦は、2球団のファンから「伝統の一戦」と呼ばれています。
パ・リーグでは、身売りや合併問題で揺れ、存続するのが危ぶまれた時期もありました。しかし、全国的なファンの獲得から、地域密着型の球団としての舵取りをしているため、球場に直接来たファンが楽しめる企画を用意したり、球場設備を整えたりするようになりました。球団マスコットの中には、選手とファンの橋渡し的な存在になることもあり、親しまれているマスコットも増えています。家族連れや1人での観戦でも安心して楽しめるようになり、観戦する客が増えファン層が広がっています。セ・リーグの他の4球団でも、同様の動きが広がり、熱心なファンによる応援が話題になっている所も多くなっています。
現在では、交流戦が盛んに行われていることもあり、セ・リーグでもパ・リーグでも人気が拮抗してきています。
セ・リーグとパ・リーグ 実力は?
セ・リーグとパ・リーグの実力はどうかというのはよく議論になるところです。昔から人気のセ・リーグ、実力のパ・リーグというように言われてはきましたが、これが的を得ているかどうかは分かりません。
最近ではパ・リーグの人気もかなり高くなっているので、この昔の言葉はかなりあてはまらなくなっています。
ただ、交流戦という両リーグが対戦する試合の戦績を考えると圧倒的にパ・リーグが優位になっていることは結果として出ています。指名打者というシステムの違いが指摘されることもありますが、それでこれだけの圧倒的な結果が出るとは考えにくいですから、かなりの実力を持ってるチームがパに多いということが現状ではいえるでしょう。
人気のあるセ・リーグがちやほやとされるなかで、じわじわと力を付けていたということになるのでしょう。今はどんどんと情報が公開されていくので、戦術やトレーニング方法まで最新の技術が取り入れられていて、より戦略が高度になっていることがあります。トレードなどのシステムもありますし、新人の獲得も出来るだけ平等になるように、特定の抜きん出たチームが出てこないようにしているシステムもありますから、力が拮抗しているということはいえるのでしょう。
ブックメーカーで試してみる
交流戦や日本シリーズで、セ・リーグとパ・リーグの対戦をブックメーカーで賭けてみるという方法もあります。また、賭けない場合は、オッズに注目してみるといいでしょう。プロの予想がどのようになっているのか、非常に参考になります。
ブックメーカープロ野球は、英語以外に日本語版も多数あります。ブックメーカーのオッズが低ければ、それだけそのチームが勝つという予想をしている人が多い、ブックメーカー会社が予想しているということが分かります。
短期決戦の場合、試合をやってみなければ分からない事が多いですが、ブックメーカーのオッズは重要なデータとなるでしょう。多くのブックメーカーのオッズをチェックしてください。ただ、プロ野球の面白いところは、予想通りにいかないことでしょう。
連覇した広島東洋カープが強い理由
プロ野球チーム「広島東洋カープ」は、他の球団と違い、市民球団を礎として成り立ったという経歴があります。戦後焼け野原となった広島において、1950年に結成されました。
設立当初から経済面で芳しくなく、市民からの株式購入や、市と県からの出資でも、予定の半分にしか達することがなく、選手への給料の支払いに遅延がみられるようにもなりました。そして、名前を残すことを目指して大洋の傘下に入る手前にまで行きました。
しかし、石本秀一監督の声によって後援会が設立され、監督は自ら公民館や学校へ飛び回り県民に語りかけ、選手もまた、試合後に県内各地を訪れました。それらの行動や発言で広島県民の心は動かされ、後援会には老若男女問わない多数のカンパが寄せられ、黒字を叩き出すことに成功します。そして1975年に初優勝を果たします。
21世紀に入って低迷が続きますが、カープを信じ続けるファンの応援も実を結んで、2016年には7回目の優勝を果たします。2017年も優勝し、悲願の連覇を達成しました。
カープファンのみならず、他球団のファンからも祝福されるのは、低迷期においても支え続けるカープファンの姿を見ていたからです。
広島東洋カープは、日本におけるプロ野球チームにおいて、一番地元に根付いたチームであり、ファンの応援がチームを強くしていると言えます。
セ・リーグとパ・リーグに分かれたきっかけ
日本のプロ野球は1936年、「日本職業野球連盟」の設立から始まりました。当時は現在のように2つのリーグが存在するわけではなく、1リーグ制で全てのチームが同じリーグで優勝を争っていました。
この1リーグ制には東京巨人軍(現:読売ジャイアンツ)、大阪タイガース(現:阪神タイガース)など、今も残る伝統的な球団が参加していました。
戦後、プロ野球は国民的なスポーツとしてさらに人気が高まりましたが、球団数の増加や試合数の拡大を背景に、1リーグ制では運営が困難になる兆候が見え始めました。
これが後に2リーグ制へと移行する布石となります。しかし、この分裂は単純にチーム数の増加だけで起こったわけではなく、当時の球団間の政治的な対立が大きく影響していたのです。
1950年頃、日本プロ野球に新たな球団「毎日オリオンズ」(現:千葉ロッテマリーンズ)が参入を希望しました。しかし、この参入を巡って既存の球団間で意見が大きく分かれました。
特に、読売ジャイアンツや中日ドラゴンズを中心とする反対派は、毎日オリオンズの参入に強く反対しました。一方で、他の球団は新たな参入を受け入れ、プロ野球の規模を拡大することを主張しました。
この対立は、ただの意見の相違にとどまらず、既存球団の間で深刻な分裂を引き起こしました。結果として、参入反対派は「セントラル・リーグ(セ・リーグ)」を結成し、参入賛成派は「パシフィック・リーグ(パ・リーグ)」を立ち上げる形でプロ野球が2つのリーグに分かれることとなりました。
この分裂はチームの強さや地域に基づくものではなく、あくまで当時の政治的な背景や球団間の対立が原因でした。
現在のセ・リーグとパ・リーグは、それぞれが独自の個性を発揮しながらも、共にプロ野球の発展に大きく貢献しています。セ・リーグは読売ジャイアンツや阪神タイガースなどの伝統的な球団が多く、華やかなプレースタイルや攻撃的な戦略が特徴です。
一方でパ・リーグは、千葉ロッテマリーンズや福岡ソフトバンクホークスなどの新興勢力が台頭し、指名打者(DH)制度などの革新的な取り組みを採用することで注目を集めています。
特に、2005年から始まったセ・パ交流戦は、両リーグの競争を一層活性化させ、ファンの興味を大いに引き出しています。また、クライマックスシリーズの導入によって、ポストシーズンの試合も盛り上がりを見せています。
このように、両リーグが互いに競い合うことで、日本プロ野球全体のレベルが向上し、国際舞台でも高い評価を受けるようになりました。